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赤ずきん

ビアトリクス・ポター 再話
ヘレン・オクセンバリー 絵
角野栄子 訳
文化出版局
2020年11月発行

 

あらすじ

むかしむかし、ある村にとってもかわいい女の子がいました。女の子はどこへ行くにもお母さんが作った真っ赤なフードの着いたコートを着ていましたから、村人から赤ずきんちゃんと呼ばれていました。ある日赤ずきんちゃんはお母さんに病気のおばあさんのところに
お菓子を届けるよう言われ、別の村のおばあさんの家に出かけました。森を抜けていく途中腹ぺこオオカミに会いますが、オオカミを怖いものと知らない赤ずきんちゃんはおばあさんの家を教えてしまいます。近道を走ったオオカミはおばあさんの家に赤ずきんちゃんよりも早く着きおばあさんを食べてしまいました。花を摘んだりして遅れて着いた赤ずきんちゃんがおばあさんのところに着くとおばあさんに化けたオオカミが待っていました。オオカミは腕が毛むくじゃらなことを聞かれると「おまえを抱きしめるためさ」と答え、耳が大きくて毛だらけなことには「おまえのおしゃべりをよーく聞くためさ」目が黄色いことには「おまえをよーく見るためさ」と答えます。赤ずきんちゃんの「おばあちゃん、その白い歯、すごくとんがっているよ」の声を聞いたのが赤ずきんの最後でした。


感想

シャルル・ペローのオリジナル・フランス版の「赤ずきん」に近い再話で、怖い結末になっています。しかしヘレン・オクセンバリーはラストでショックを受けてしまう人のためにラストの絵にオオカミを追いかける木こりたちを描いて、その先を想像させる終わり方をしています。森の描写が文も絵も美しく描かれていて、訳も読み易くじっくりと楽しめる絵本です。


読み聞かせには

小学校低・中学年の子どもたちが合っていると思いますが、お話の聞ける年長さんでも大丈夫なのではないでしょうか。

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